ローリン・ヒルにもこんなときがあったとは

ジックススタジオで、YouTubeを見ながら暇つぶしをしていたら、ローリン・ヒル(Lauryn Hill)の興味深い動画を見つけました。映画「天使にラブソングを2」では歌だけでなく、いい演技も見せてくれましたね。またグラミー賞も5部門制覇するなど、とにかく歌がうまい本格派R&Bシンガーです。

そのローリンが13歳のときに出演した、アポロ劇場のアマチュア・ナイト(素人のど自慢)での一こま。アマチュア・ナイトは、ジェームス・ブラウン、ジャクソン5、スティービー・ワンダー、その他数多くの大スターを輩出した伝統あるショーです。彼女は緊張したのか、いきなり音を外して観客席から大ブーイング。しかしなんとか持ちこたえ、だんだん良くなってきて最後まで歌いますが、彼女でもこんなときが、あったんですね。

ちなみに、彼女がステージに上がったときに撫でているのは「希望の木」と呼ばれ、出演者は必ず触ってからステージ中央に行きます。その後の彼女の輝かしいキャリアは「希望の木」のご利益もあるのかも。通天閣のビリケンさんみたいなものですかね。

僕も十数年前に、ニューヨーク・ハーレムにあるアポロ劇場のアマチュア・ナイトを見に行ったことがあります。今でこそニューヨークは治安もよくなって、アメリカを象徴する世界一の都市になりましたが、当時はその功労者であるジュリアーノ市長が就任して間もない頃で、ニューヨークは、まだまだ危険な街でした。夜になると、マンハッタンの中心から劇場があるハーレムまでは、危険だということでタクシーも行ってくれません。タクシードライバーも避けるようなところにアポロ劇場はありました。

案の定、ショーが終わって劇場から出てきたら、「ブラザー、こんなもん、いりまへんか?」と、どこから見ても普通に売っているコーヒー・シュガーの小袋を見せられました。もちろん無視しましたが、あれは砂糖売りのお兄ちゃんだったのだろうか?

さて、アポロ劇場のお客さんは厳しいです。下手でも最後まで聞いてあげよう、なんて雰囲気は全くありません。下手なら容赦なくブーイングの嵐。バックバンドの演奏も途中で止まってしまいます。逆に最高の出来だとスタンディング・オベーションで称えてくれます。お客さんの拍手の多さが評価の基準です。

そう言えば、僕が行ったときは、マイク・タイソンが、強面のボディ・ガード風の人達に囲まれてバルコニー席から見てました。アマチュア・ナイトの常連さんらしいです。しかし、マイク・タイソンにボディ・ガードはいらんやろ。

Lauryn Hill at 13 sings Who’s Lovin’ You (Amateur Night at the Apollo)

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