「音抜け」批評の底なし沼

WOOFER「音抜け」・・・音楽をやってる人ならよく耳にすると思いますが、少々めんどくさい言葉です。なぜなら、抽象的かつ曖昧で、何も核心を突いていないのに、これほどプレイヤーを惑わし、悩ませ、時間と金を浪費させる言葉はないからです。

もしギタリストが、業界のそれなりの人から「音抜けが悪いね。」と言われたら、聞き返すことなど出来ず、「そうなんです。ちょっとコンプを替えてから…」等と言ってしまいがちですが、例え聞き返したところで、「音の輪郭がはっきりしていないんだよ。」と、もっと適当なことを言われるだけです。

そして「音抜け」に惑わされ、シールドやエフェクターを買い替えては悩み続け、さらにはアンプやギターまで買い替えてしまい、さらに、さらに…と底なし沼に陥る方は数え切れません。

このように、「音抜け」の捉え方は主観的で人それぞれなので、そのニュアンスはなかなか相手には伝わらないのです。

しかし、「音抜け」とは楽器や機材の良し悪しを表す言葉ではなく、演奏環境の音の特性を表す言葉だと思うのです。

例えば、ホール、ライブハウス、野外音楽堂、ストリート、スタジオ、そして自分の部屋で同じ楽器を演奏しても、それそれ全く違った音になるように、そこでの聞こえ方の状況を表しているのが「音抜け」です。

だから、無責任な「音抜け」批評なんかに惑わされず、もっともっとスタジオで練習やアンサンブルを楽しみましょう。汗

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