真空管アンプは美人薄命

JCM2000 DSL100ジックススタジオはオープンして、まだ1年10ヶ月なのですが、マーシャル・ギターアンプ・ヘッド(Marshall JCM2000 DSL100)の修理回数は、のべ10回以上!

2ヶ月に1回は修理していることになります。ここまで故障が多いと、製造物責任法に抵触しないのかな?

そこで、独断と偏見で、謎が多いマーシャル・アンプのメンテナンスついて、わかってきたことをまとめてみました。(必ずしも正しいとは限りませんので、悪しからず。)

  1. ヒューズが切れたら、必ずどこかに故障がある。
    • ヒューズを交換しても、本当の解決にはなりません。
  2. 故障のほとんどは、真空管(パワー管:EL34)の不良である。
    • 真空管が売りのアンプなのに、真空管が故障の原因に。美人薄命と思ってあきらめるしかないのか。
  3. 純正管だからといって、高品質とは限らない。
    • 一般的に純正部品は値段は高いが高品質で安心というイメージがありますよね。当店ではマーシャル・ロゴが刻印された純正管(ロシア・スヴェトラーナ製)を使用していますが、故障回数が物語っているように、全くあてになりません。(純正管以外で評判が良いと言われているものも試験的に使ってみましたが、まだ評価できる段階ではないので比較できません…)
    • 某リペアマンの方によると、純正管の品質は中の上だということです。
  4. パワー管の交換は自分でできる。
    • パワー管の交換は、バイアス電圧調整が必要なので自分ではできないというのはウソ。意外に簡単です。バイアス電圧調整は、パワー管の手前のピン(3本)の右2本、左2本のそれぞれの電圧(DC)をテスターで計測。その両端のネジを回して調整するだけです。
    • バイアス電圧値について、ちまたに色々な情報が飛び交っていますが、次のビデオ(残念ながら英語)が参考になると思います。
    • How to Bias a Marshall Tube Amp
    • マーシャル一筋30年風の人が、「バイアス電圧値は、マーシャルは90mVを勧めてるけど、これではかなり高いので、好みによって、80mV~90mVにすればいいよ。」と語っています。あとはよくわかりません。笑
  5. バイアス電圧調整不要の裏技はあるのか?
    • マッチド・ペアの真空管を使えば、バイアス電圧調整が不要というのはウソ。調整は必ず必要です。
    • バイアス電圧が調整済みの場合、全く同じ特性の真空管と入れ換えれば、再度調整は不要なはずです。例えば、グルーブチューブはパフォーマンスレートを決めて一度バイアス電圧調整すれば、再び調整不要というのが売りです。しかし、これほどアバウトな真空管の世界で、全く同じ特性の真空管など存在するのかな?これについてはよくわかりません。
    • 色々裏技使うより、ふつ~にバイアス電圧を調整したほうが、コストもかからず、早くて確実だと思いますよ。

“真空管アンプは美人薄命” への4件の返信

  1. こんにちは。岡山に引っ越してトマト農家になったバカ野郎の浦田です。
    僕も、バイアス調整はやっぱり自分でするのが安上がりでいいと思います。
    真空管選びとかバイアス調整とか、ココに相談してます。↓
    http://www.vintagesound.jp/
    でも、マスターがこの人知らないってこと無さそうですけど・・・。老婆心ながら・・・。
    ではまた。

  2. 浦田さん、お久しぶりです。実は怪我をしてしまい、いま病院のベッドの上で携帯使って書いてます。情報ありがとうございます。ヴィンテージサウンドさんは存じ上げてますが、まだ購入したことはありません。ところで、マーシャルから廉価版のDSL100出ましたね。JCM2000 DSL100の修理代2~3回分で新品が買えるので興味津々です。では美味しいトマト作って下さいませ。

  3. EL34で80mV~90mVもかけちゃだめです。
    深すぎで、真空管が長持ちしないですよ~
    オシロスコープで波形見ながらきちんとクリップ手前で調整しないとパワーも出ないし歪むだけ。
    綺麗な波形が出てこそ歪も倍音が響くのです。
    音の粒つぶれた歪こそ気持ち悪いし
    チューニングが狂っていてもわからない歪音は最悪です。
    きちんとバイアス調整された歪は倍音がきれいにでるので、
    チューニングがズレているとすぐにわかるのです。
    本物の修理人にメンテしてもらわないとダメです。
    名古屋の便利屋さんとして
    営業してる方は完璧な状態にしてくれます。
    ヴィンテージ何とかの怪しい商売に
    みんな乗りすぎで
    音のわからない人ばかりで、気の毒です。
    全く同じ真空管なんて1個もないし
    回路上の部品は劣化し続ける運命なのに
    交換すれば同じ状態になるなんて・・・
    物理的にありえないでしょ。
    ま。この辺で。
    失礼いたしました。

  4. とおりすがりさん、ご教示ありがとうございます。
    たしかに真空管アンプは、同じメーカーの同じ型式の真空管に交換したとしても、元と同じ音にはなりませんし、よく故障するので汗が出ますが、そういうゆるいアンプだと思って付き合っています(笑)

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