中国から輸入したパチモン・ストラトキャスターとテレキャスターを販売した業者が18日に商標法違反容疑で捕まりました。コピーモデルとしてではなく本物として販売してたようです。買ってしまった人、ご愁傷様です…
多くの楽器メーカーからコピーモデルが堂々と発売されているように、ギターのデザインは法律で保護されていません。つまり、ギターのデザインは誰のものでもないのです。
ギブソンが、バーニーのブランドでギブソンのコピーモデルを作っているフェルナンデスを、「もうコピーモデルを作ったらあきまへんで!」と訴えましたが一審で負け、控訴審でも平成12年に負けてます。
また4年前、フェンダーはストラトキャスター、テレキャスター、プレシジョンベースのボディ形状の商標登録を出願し、デザインの権利を独占しようとしましたが、米国商標審判部に拒絶されています。
つまり、これらのデザインは今や一般的なものなので、決してフェンダーだけのものではなくなってしまっているのです。訴訟や商標登録出願、本家本元の焦りが手に取るようにわかりますね。伝統を継承しつつ技術を進歩させることの難しさ。追いかけられる者の宿命ですな。
そういえばその昔、超円安でギブソンやフェンダーを買うことなど、夢のまた夢だった時代。日本ではオリジナルギターよりもコピーギターがあたり前のように作られていました。
当時のGrecoやFernandesのロゴは、明らかにGibsonやFenderのロゴをコピっていましたし、GabanやFresherというのもありました。もうこのスペルだけでどんなロゴだったのか想像付きますよね。おまけにGibsonと見間違えそうなTomsonというのまでありました。ここまで来るとお笑いですな。しかしそれほどまで当時のギブソン、フェンダーは憧れのブランドだったのです。
また当時はコピーモデルの品質が急速に進化していった時代でもありました。特にハイエンドモデルなどは、本家のギブソンやフェンダーを凌駕する出来栄えにまで進化していたと思います。いまジャパンビンテージとして見直されている所以ですな。